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介護

通報した人は法律で守られます

高齢者虐待防止法が定める通報の仕組み、通報者が守られる根拠、市町村の対応、そして何を根拠に通報するのかという問題について。

家族が確認できるのは面会の数十分だけです。

残りの時間に何があったかは本人の話に頼ることになりますが、その話が正確でないことも多い。記憶があいまいだったり、心配をかけまいと言わなかったり、施設に迷惑がかかると思って我慢されたりします。

そして「言ったら余計につらくなるのでは」という不安が、いちばん大きい。

その不安については、法律が先に答えを出しています

高齢者虐待防止法は、通報した人を守る仕組みを先に用意しています。

通報者が誰かは明かされません。 通報を受けた市町村や地域包括支援センターの職員には、職務上知り得た通報者を特定する情報を漏らしてはならないという守秘義務が課されています(同法第8条、第17条第2項)。

施設職員が自分の勤務先を通報した場合も同じです。 市町が事実確認調査を行う際、施設に対して通報者が誰であるかを明かさないよう配慮することになっています。

通報を理由とする不利益処分も禁じられています。 解雇などがこれにあたります。

そして相談・通報は個人情報の漏洩にはあたらないと自治体も明記しています。

通報の敷居は低くしてあります

発見した人は通報できます。 同法第7条は、養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者について、生命または身体に重大な危険が生じている場合は速やかに市町村へ通報しなければならないとし、それ以外の場合も通報するよう努めなければならないと定めています。

家族でも、近隣の人でも、別の入所者のご家族でも構いません。

施設の職員には義務があります。 養介護施設従事者等については、自分が勤務する施設内で虐待を発見した場合、危険度にかかわらず通報義務があります。隠ぺいは法令違反です。

医師・保健師・弁護士などには早期発見への協力義務が定められています(同法第5条)。

通報先

  • 市区町村の高齢福祉担当窓口
  • 地域包括支援センター
  • 警察 — 緊急性が高い場合
  • 都道府県の介護保険担当部局・老人福祉担当部局 — 施設内虐待の場合

通報後は 市町村が速やかに安全を確認し、事実関係を調査します(同法第9条)。必要に応じて訪問や関係者への聞き取りが行われます。

「これは虐待にあたるだろうか」と迷う段階で相談しても構いません。判断は受けた側がします。

では、何を根拠に通報するのか

ここで止まります。

本人が「ここの人に何か言われる」とおっしゃっても、いつ誰が何と言ったのかは分かりません。聞き返すとかえって曖昧になります。その話だけでは、調査が始まっても事実関係の確認まで届かないことがあります。

そして日本では介護施設への防犯カメラ設置は義務化されていません。 設置している施設もありますが、映像だけでは言葉によるものは残りません。

厚生労働省の調査でも、養護者・養介護施設従事者いずれによる虐待でも最も大きい割合を占めているのは身体的虐待とされていますが、言葉によるものは記録に残りにくいという事情も背景にあります。

本人は何もしなくて構いません

親御さんに録音アプリを立ち上げておいてほしいと頼むのは現実的ではありません。慣れない画面の操作は負担ですし、何よりそういう場面になったときにそんな余裕はありません。

TalkSafeを使う方法があります。

子が親御さんの端末に入れ、あらかじめいくつか言葉を決めておきます。 その言葉が聞こえたときに録音が始まります。親御さんのほうは何もしなくて構いません。画面がロックされたままでも始まるので、端末はポケットやベッドのそばに置いたままで大丈夫です。

そして決めておく言葉は、親御さんが言う言葉である必要がありません。 その場面で相手が口にしそうな言葉を登録しておけばよいのです。親御さんが何も言えずにいても、その言葉が出た瞬間に録音が始まります。

録音が始まった時点の直前30秒もあわせて保存されるので、すでに始まっているやり取りでも冒頭から入っています。

面会のときに確認すれば、「大丈夫だよ」が実際に何を指していたのかが分かります。

ここは必ず守ってください

録音機を部屋に置いて帰るのはいけません。

親御さんが参加している会話の録音は、日本では原則として適法です。しかし親御さんが参加していない会話が入ると話が変わります。職員同士のやり取り、同室の方とそのご家族の会話などです。

日本には秘密録音そのものを禁じる規定はありませんが、自分が当事者でない会話の録音は、証拠能力の判断基準である「著しく反社会的」の側に寄っていきます。話者の人格権侵害として民事上の責任が問題になることもあります。この点は別の記事にまとめてあります。

決めた言葉が出たときだけ始まる方式は、その区間を構造的に小さくします。楽だからではなく安全だからです。

そして親御さんにお伝えください。 このアプリは録音中に通知が表示され続け、それを消せないので、そもそも知らせずに使える作りになっていません。知っていれば、必要なときにご自身で頼ることもできます。

介護職員が身に覚えのない疑いを受けることもあります

認知症のある方が事実と異なる記憶をお持ちになることもありますし、入浴や体位変換のように身体に触れる必要のある介助は、映像だけを見ると違って見えることがあります。

必要なものは同じです。 音が残らないことで不利になるのは、介護職員の側も変わりません。実際に何が話されたかが分かれば、それが分かります。

調査は双方を対象に行われ、説明する機会もあります。記録がなければ食い違う言い分だけが残り、そのときどちらが不利になるかは決まっていません。

相談できるところ

  • 市区町村の高齢福祉担当窓口 — 通報前の相談でも構いません
  • 地域包括支援センター — 平日日中の対応が中心です
  • 警察 — 緊急性が高い場合
  • 都道府県の介護保険担当部局 — 施設内の事案

「虐待かどうか分からない」という段階で相談しても問題ありません。

記録より先に要るもの

記録は確認のために要るもので、それ自体が目的ではありません。

いちばん先に必要なのは、親御さんが安心して話せる関係です。頻繁に顔を出すこと、そして何を話しても施設に不利益が及ぶことはないと伝えておくこと。それが先にあって、記録はその後です。

高齢者虐待は誰が通報できますか

高齢者虐待防止法第7条は、養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者について、生命または身体に重大な危険が生じている場合は速やかに市町村へ通報しなければならないと定めています。それ以外の場合も通報するよう努めなければならないとされており、家族でも近隣の人でも通報できます。

施設の職員には通報義務がありますか

あります。同法は養介護施設従事者等について、自分の勤務する施設内で虐待を発見した場合の通報義務を定めており、危険度にかかわらず通報が必要です。隠ぺいは法令違反にあたります。

通報したことが施設に知られませんか

通報を受けた市町村や地域包括支援センターの職員には、職務上知り得た通報者を特定する情報を漏らしてはならない守秘義務が課されています(同法第8条、第17条第2項)。施設職員が自分の勤務先の虐待を通報した場合、市町が事実確認調査を行う際も通報者が誰であるかを施設に明かさないよう配慮することになっています。また通報を理由とする解雇等の不利益処分も禁じられています。

どこに通報すればよいですか

市区町村の高齢福祉担当窓口または地域包括支援センターです。緊急性が高い場合は警察も選択肢になります。施設内での虐待については、都道府県の介護保険担当部局や老人福祉担当部局が窓口となる場合があります。

通報するとどうなりますか

市町村は通報を受けると速やかに高齢者の安全を確認し、事実関係を調査します(同法第9条)。必要に応じて地域包括支援センターの職員と連携して訪問や関係者への聞き取りを行い、緊急性を判定します。

この記事は一般的な情報提供であり、法的助言ではありません。個別の事案については市区町村の窓口や弁護士にご相談ください。

高齢者虐待は誰が通報できますか

高齢者虐待防止法第7条は、養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者について、生命または身体に重大な危険が生じている場合は速やかに市町村へ通報しなければならないと定めています。それ以外の場合も通報するよう努めなければならないとされており、家族でも近隣の人でも通報できます。

施設の職員には通報義務がありますか

あります。同法は養介護施設従事者等について、自分の勤務する施設内で虐待を発見した場合の通報義務を定めており、危険度にかかわらず通報が必要です。隠ぺいは法令違反にあたります。

通報したことが施設に知られませんか

通報を受けた市町村や地域包括支援センターの職員には、職務上知り得た通報者を特定する情報を漏らしてはならない守秘義務が課されています(同法第8条、第17条第2項)。施設職員が自分の勤務先の虐待を通報した場合、市町が事実確認調査を行う際も通報者が誰であるかを施設に明かさないよう配慮することになっています。また通報を理由とする解雇等の不利益処分も禁じられています。

どこに通報すればよいですか

市区町村の高齢福祉担当窓口または地域包括支援センターです。緊急性が高い場合は警察も選択肢になります。施設内での虐待については、都道府県の介護保険担当部局や老人福祉担当部局が窓口となる場合があります。

通報するとどうなりますか

市町村は通報を受けると速やかに高齢者の安全を確認し、事実関係を調査します(同法第9条)。必要に応じて地域包括支援センターの職員と連携して訪問や関係者への聞き取りを行い、緊急性を判定します。